何やってんだか

日記です。最近は不定期投稿。

4/6 白リン弾の誤解の弊害

クラス替えナリ。今年は何組ナリか。

…もちろんのこと、一人クラスではなかった。仲が良いと思っている人たちのいくつかは別のクラスにいるが、同じクラスに知り合いが多かったので良かったと思う。

まあ悪口、またその逆はこのブログが誰かに見られたときに面倒なので一切言わない事とする。沈黙中立が基本姿勢ですからね

今日の総括

ルーティンを23時に始める

  1. 23時以前
  2. 23時半~
  3. 0時以降

提出物完了に向けて前進せよ!

  1. 100%
  2. 50%
  3. 0%

規則的な生活

  1. 就寝時間+タスクを計画的に終えている
  2. 就寝時間
  3. 不規則な生活

余談

白リン弾」について、どのような印象を抱いているだろうか。

たとえば『Spec Ops: The Line』というゲームでは白リン弾にて殺害された民間人の大量の死体が映るシーンがあり、それらはグロデスクすぎて少しこのブログには貼れないレベルである。

化学では白リンは有毒で、反応性の高い物質であると習う。恐らくそうした事と相まって「非人道的」「条約違反」というイメージが先行するだろう。

時にそういった思い込みは事実を歪曲させる。

端的に言うと、現状使用されている、または戦場で使用された白リン弾はどれを取っても条約違反のものではない。(人権団体等から批判されている使用法、使用状況というのはある)

白リン弾」とはどのようなものか?

現状、白リンは煙幕を張る発煙弾としての使用が主流である。陸上自衛隊では74式戦車までの戦車、装甲車の発煙弾発射機には白リン発煙弾を用いており、総合火力演習において煙幕展開を行った際に風向の影響で観客が煙に巻かれた事例があるが、死者はおろか負傷者は出ていない。

ちなみに90式戦車以降は赤外線ジャミング効果のある赤リン発煙弾に切り替えられている。赤リンはマッチの側薬として使用される物質。

そもそも白リン弾化学兵器禁止条約に抵触するような兵器であるなら、煙幕としての運用は友軍にとっても自殺行為である。

無害であると言いたい訳ではない。兵器である以上、一定の有害性はあるが、現状白リン弾にのみ注目が集まりすぎていると思うのだ。

焼夷兵器とは?-焼夷兵器と白リン弾-

「焼夷兵器」というのは条約(特定通常兵器使用禁止制限条約,議定書III)によって禁止されている。またこれにおける「焼夷兵器」の定義は以下の通りである。

(a) 焼夷兵器は、例えば、火炎発射機、火炎瓶、砲弾、ロケット弾、擲弾、地雷、爆弾及び焼夷物質を入れることのできるその他の容器の形態をとることができる。


(b) 焼夷兵器には、次のものを含めない。


(i) 焼夷効果が付随的である弾薬類。例えば、照明弾、曳光弾、発煙弾又は信号弾


(ii) 貫通、爆風又は破片による効果と付加的な焼夷効果とが複合するように設計された弾薬類。例えば、徹甲弾、破片弾、炸薬爆弾その他これらと同様の複合的効果を有する弾薬類であって、焼夷効果により人に火傷を負わせることを特に目的としておらず、装甲車両、航空機、構築物その他の施設のような軍事目的に対して使用されるもの

(引用元:特定通常兵器使用禁止制限条約,焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書(議定書III) - データベース「世界と日本」)

つまり、焼夷を第一目的としている兵器は禁止されたが、照明弾、曳光弾、発煙弾又は信号弾はこれらから除外される。

「誤解」が生むプロパガンダ-カラバフ戦争-

アルメニアアゼルバイジャンがナゴルノカラバフを係争地として争っている戦争で、森林を焼き払う目的でアゼルバイジャン軍は焼夷兵器を使用した。アルメニア政府は「アゼルバイジャン白リン弾を使用した」として非難したが、実際は白リンではなく、クラスターテルミット焼夷ロケット「9M22S」が使用されていた。

アルメニア政府の動画では、上空で爆発し、細かく拡散しながら花火のように降ってくる様子が確認されたが、このような特徴を持つ白リン弾は「M825A1 155㎜ WP弾」のみである。これはアメリカ軍の兵器であり、両軍共に保有していない。

9M22Sは攻撃用に設計された焼夷弾であり、発煙弾として設計されたM825A1よりもはるかに条約に抵触するおそれがある。

しかし、彼らは殺傷性の高いテルミット焼夷弾を糾弾する訳ではなく「白リン弾を使用した」と嘘をついて国際世論に訴えた。何故か?

白リン弾のほうが、テルミット焼夷弾よりも知名度が高く、また非人道的な「悪魔の兵器」というイメージが定着しているため、大々的に反戦キャンペーンが張られ、敵国に悪いイメージをつけられるからである。

今回のウクライナ侵攻における「白リン弾使用」の誤報

今回のウクライナ侵攻時にウクライナ政府は「ロシア軍はウクライナ白リン弾を使用した」として空中で爆発し、花火のように発光しながら落下する様子を公開した。

しかしロシアは空中で炸裂する白リン弾保有していないし、実際使用されていたのは9M22Sであった。2014年のウクライナ動乱においても同様の騒動が起きていたが、この時も実際に使われたのも9M22Sであった。

ロシアが空中で炸裂する白リン弾保有していない事はウクライナも知っていたという見立てが有力だが、ウクライナは宣伝戦の手段として、あえて白リン弾が使用されたと国際社会に訴えたのであろう。

※一応誤解されないように追記しておくと、この戦争において最も重要なことはロシアの現状変更は許されないという事である。ウクライナが「誤報」を出したからといってロシアの行いは正当化されない事は少し考えれば分かるだろう。

国際世論の歪み

ここまでを踏まえれば、常識的に考えて条約的にセーフ寄りの白リン弾よりもアウト寄りのテルミット焼夷弾こそ使用を糾弾されるべきなのだ。

しかし世間が関心を向けるのは前者のみ。

世間が理解を示さねば条約等で効果的に規制する事から遠ざかる。効果的な規制は、無辜の市民や傷つかなくて良かったはずの兵士の犠牲を減らすために重要である。

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